憂鬱と詩

なんでもない想い

沈むための船

今まで1度も 旅なんてしたことが無かった

これが私の最初で最後の旅になる


そんな旅に選んだのは

海上の旅 クルーズだ


1週間の旅


早く終わってほしい


私にとって全てはどうでもいいんだ

終わりを願うものにとって 全てのことは無意味だから


(自殺志願者や安楽死を望む人のために

1週間後には人の助けが来ない場所で必ず沈むクルーズのお話を書きたかったけど 上手くいかなかった)

一人きりで見上げた空は

空は薄い白い雲で覆われていて月はぼんやり輝いていた


休むことを知らない川を流れる水

人の事なんて全く気にしないで佇む山

このあいだは見かけなかった黄色い花

深い夜に向けて響くカエルの声


一つ一つが 重なって 綺麗だった



英雄であろうと 罪人であろうと 権威を持っていようと 酷く愚かであろうと


等しく 美しい瞬間を感じることができるのだろう

そこに格差はなく

ただ 重なった時間と 重なった色と 音が

あるだけで


美しさの前では 言葉は意味をなさなくなる